結核は菌陽性肺結核患者が咳をした時などに飛散する菌で飛沫感染す
る。感染すると肺には初感染原発巣が形成され、まもなく肺門リンパ節
にも病巣を作る。80%程度はこお段階で病巣に石灰が沈着して治癒する
が、結核菌が血行性、リンパ行性、あるいは管内性に全身どの臓器にも
拡がることがあり、肺結核、結核性髄膜炎、粟粒結核、胸膜炎、骨・関
節結核、腎結核等を起こしうる。肺結核が最も多く、結核患者の約90
%を占める。発病は感染後1年以内のことが多いが、病巣内に閉じ込め
られた結核菌は長く生存できるので10年、20年後に発病することもあ
る。我が国では今でも毎年4万人以上の人が発病している。発病者の約
半数は60歳以上の高齢者であるが、小児、若年者の結核もあとをたた
ず、最近では減り方が鈍っている。結核の化学療法の進歩はめざましく、
ほとんどの例を薬で治すことができるが、今でも6ヵ月以上の治療が必
要である。
結核に対する免疫は細胞性免疫で、他の予防接種による免疫とは異な
る。BCG接種による結核発病予防効果については、最近活発に研究が
行われた。その結果は次のように要約できる。
結核がある程度減少したため、BCG接種を中止した国もあるが、
スウェーデンでは中止後小児の結核発病率が高くなり、旧東ドイツ、
チェコスロバキア等では、中止後小児結核が増加したため、BCG接
種を再開した。我が国の結核蔓延状況の現状をみると、なお当分の間、
BCG接種を継続することが必要である。