しかし、このように伝染病と命とが引きかえという時代が過ぎてしま
うと、予防接種の効果はもちろんであるが、副反応のないワクチンの要
求が一層たかまってくる。国民の免疫保有率向上のため、予防接種法及び
結核予防法では予防接種を受けるよう努めなければならないと規定して
いるが、極めてまれに生ずる健康被害に目が向きすぎ、予防接種によっ
て獲得した免疫が伝染病の流行を抑えていることを忘れてしまいがちで
ある。
このような不可避的に生ずる少数の予防接種健康被害を少しでも減ら
すため、日常の健康状態をみながら予防接種を受けられるよう、個別接
種が推進されているが、この意義がよく理解されていないと、個別接種
への切り替えが接種率低下に結び付くことにもなりかねない。したがっ
て、自分やわが子の健康維持のため、すすんで予防接種を受ける自覚を
盛り上げる積極的な働きかけが大切である。